名著の残念訳(39)

名著の残念訳(39)

「ボビー・フィッシャー 魂の60局」

59 誤ったビショップ 271ページ
『ここで、黒にはルークを捨てて2つのマイナーピースを取る狙いがある。結局はポーン1つしか取れないが(それが黒の致命傷となる)。』

このあとの 14…Qxb4 で確かにポーンを1個取っている。それが何で勝った黒(フィッシャー)の致命傷なのだろうか。

英文『Black now has a shot which wins two pieces for a Rook; or, as it turns out, a lowly Pawn (which proves fatal).』

黒の「ルークを捨てて2つのマイナーピースを取る狙い」は 13.b4 の解説にあるように 12…Re6! 13.Ng5 Rxd6 14.Qxd6 Qxc3 という変化のことである。「ポーン1つしか取れない」のは本譜(実戦)の 12…Re6! 13.b4 Qa3! 14.Bc7 Qxb4 という手順である。この手順で黒が勝っている。だから黒の1ポーン得でも白にとって致命傷だったということである。

試訳『ここで、黒にはルークを捨てて2つのマイナーピースを取る狙いがある。結局はポーン1つしか取れないが(それが白の致命傷となる)。』

59 誤ったビショップ 272ページ
『私は、彼が再び見に来ても無視した。』

英文『I never noticed him looking at the game again.』

「無視した」とはどこにも書かれていない。

試訳「彼が再び見に来た気配はなかった。」

59 誤ったビショップ 272ページ
『ここからも退屈しない。』

英文『No rest for the weary.』

大修館書店「ジーニアス英和大辞典」の rest に次のような例文がある。There’s no rest of the weary. 疲れ果てていても働かなければならない。

試訳「このビショップは休めない。」

60 チャンピオンが相まみえて 280ページ
『56.f6 1-0
56…Rf4 には 57.Nd5 で決まり。不屈の闘志!』

「不屈の闘志」とは不利な側の頑張りに対する言葉であろう。

英文『56.f6 Black resings
On 56…Rf4 57.Nd5 wins the house. A stubborn fight!』

試訳「56.f6 1-0
56…Rf4 には 57.Nd5 で決まり。激闘だった!」

2012年03月25日 コメントは受け付けていません。

カテゴリ: 名著の残念訳

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