フィッシャーのチェス(146)

フィッシャーのチェス(146)

第4部 手筋(続き)

第16章 開き攻撃(続き)

 フィッシャーが逃さなかった有名なクイーン捨て(何回か言及してきた)はよくあるビショップとナイトとのバッテリーしだいだった。普通はキングが自陣のナイト列の最下段にいる場合に起こるが、その際立つ特徴はここでも同じだった。つまりナイトは無限にチェックできて先手を取り続けるか戦力をかすめ取りながら動き、時には詰ませることもあるということである。

D.バーン対フィッシャー
ニューヨーク、1956年
 17.Kf1

17…Be6!

 多くの妙手のようにこの手もほぼ必然である。なぜならクイーンとナイトが当たりになっていて、17…Nb5 は 18.Bxf7+ Kxf7 19.Qb3+ Be6 20.Ng5+ となるのであまり気が進まないからである。だから好手の記号は本当のところはこの可能性を読んでおかなければならなかった数手前の手に対するものである。クイーン捨ての別の特徴についてもここで触れておかなければならない。黒はクイーンが取られれば好きなだけ何回でも永久チェックをかけることができるので、引き分けを「担保」にとっている。そして取れる戦力は全部取ったあと勝ちにいけるかどうかを決めることができる。多くの目の覚めるような妙手はほんのわずかな危険性で試みられるし、うまくいくならあらゆる賞賛を浴びることになる。

18.Bxb6

 このビショップが動くことによる愉快な点は 18.Bxe6 なら 18…Qb5+ で次のように有名な「窒息詰め」になることである。19.Kg1 Ne2+ 20.Kf1 Ng3+ 21.Kg1 Qf1+! 22.Rxf1 Ne2#

18…Bxc4+ 19.Kg1 Ne2+ 20.Kf1 Nxd4+

 これでポーンが取れたが、もっと重要なことは対角斜筋が通ってナイトがc3の地点に基地を持つことである。

21.Kg1 Ne2+ 22.Kf1 Nc3+ 23.Kg1 axb6

 フィッシャーは勝ちにいくことにし41手目で勝った。ついでに言えばビショップの取り返しで白クイーンに対する開き攻撃になっていることが重要で、ルークを取る先手が得られた。

(この章続く)

2012年03月17日 コメント(1)

カテゴリ: フィッシャーのチェス

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  1. [...]  18…Bxc4+ または 18…Qb5+ のあとの開きチェックに含まれる戦術の可能性の詳細な説明については第16章「開き攻撃」を参照されたい。 [...]



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