チェス布局の指し方[83]

チェス布局の指し方[83]

dポーン布局と側面布局

第13章 現代防御(続き)

擬似キング翼インディアン戦法

1.e4 g6 2.d4 Bg7 3.c4(図132)

 図132(黒番)

 既に見たように白は3手目でナイトを展開するのが普通である。しかし本譜の手も珍しい手ではなく、黒にキング翼インディアン防御に移行するよう誘っている。しかし黒はキング翼ナイトの展開を拒否し、代わりにキング翼ビショップとクイーン翼ナイトとによって白のdポーンに対する圧力を強めることにより、現代防御の輪郭を保つことができる。

3…d6 4.Nc3

 ここではクイーン翼ナイトを展開するのが最善である。4.Nf3 は …Bg4 とかかられて、白のdポーンに対する圧力が強まってくる。

4…Nc6

 このナイトの展開で白のdポーンが当たりになっている。これは上述した黒の作戦行動の概要と密接に関連している。4…Nf6 はキング翼インディアン防御に直接移行することになる。それでも本譜で黒が直面することになる困難を考えれば、これが推奨する針路である。

5.d5

 ナイトを当たりにするのは自然な反応である。もっとも 5.Be3 もまったく当然の手である。

5…Nd4

 ぶざまな退却の 5…Nb8 はほとんど考慮に値しない。黒は本譜の手で目標を達成し白のd4の地点を駒で占拠した(「相手の手に乗る」ことはしばしば良い指針になる)。しかしこのナイトを前進基地に維持することはひどく困難な戦いになる。

6.Be3

 ナイトへの攻撃に出た。

6…c5

 6…e5 のようにキング翼ビショップの利きを止めることなしにナイトを支えた。

7.Nge2

 白はナイト同士を交換することを希望している。7…Nxe2 8.Bxe2 となれば白駒(キング翼ビショップ)を展開させてやるために黒が3手損(…Nc6 – d4 x e2)したことになる。白は 7.dxc6e.p. Nxc6 と指すこともできたが、黒はそれ以上問題を抱えることなく展開を完了できただろう。

7…Qb6

 この場合はクイーンを早く展開させる必要がある。さもないと黒はナイトを支えることができなくなる。

8.Qd2

 白の作戦は Rd1 でナイトに対する圧力を一段と強めることである。

8…Bg4

 黒はナイトを脅かしている駒の一つを当たりにした。8…e5 突きによってナイトを支えようとしても次のようにひどい失敗に終わる。9.dxe6e.p. fxe6 10.Rd1 e5 11.Nd5 Qd8 12.Nxd4 cxd4 13.Bg5 これで白は駒がよく働いているが、黒はd4の地点に駒がいる代わりに「死点」ができてしまっている。

9.f3!(図133)

 図133(黒番)

 1973/74年ヘースティングズでのティマン対サトルズ戦はここから次のように進んだ。

9…Bxf3 10.Na4 Qa6 11.Nxd4 cxd4 12.Bxd4 Bxd4 13.Qxd4 Nf6 14.c5!! Qa5+ 15.Nc3 dxc5 16.Qe5 Bg4 17.d6

 以下は白が一本道で勝った。上図で黒の唯一のチャンスは 9…Bd7 だっただろう。しかし 10.Rd1 が黒の戦略を打ち破る手で、強制的にd4のナイトを交換させる。

(この章終わり)

2011年10月17日 コメントは受け付けていません。

カテゴリ: チェス布局の指し方

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