チェス布局の指し方[77]

チェス布局の指し方[77]

dポーン布局と側面布局

第12章 オランダ防御(続き)

6…d6 突きの流動中原

1.d4 f5 2.Nf3 Nf6 3.g3 e6 4.Bg2 Be7 5.O-O O-O 6.c4 d6(図121)

 図121(白番)

 この手でも黒はまだ …Qe8-h5 の手段によるキング翼襲撃を予定している。しかし 6…d6 突きは前節で考察した 6…d5 突きよりもかなり柔軟性がある。黒は 6…d6 突きのあと自分のポーンを剛直な形にはしない。そして特に石垣戦法のようにe5の地点を弱めるようなことはしない。…d6 突きのあといくつかの戦型では黒は …e5 突きをもくろむことさえできる。

 しかしそれでも白は自分から e4 突きを目指すことにより優勢を得ることができる。このポーン突きは黒の出遅れeポーンを攻撃する筋を開放する。

7.Nc3

 この手は明らかに最善である。ナイトを重要なe4の地点に利かせている。

7…Qe8

 もうこの手はおなじみである。

8.Re1

 これもまた e4 突きの準備である。

8…Qg6

 黒は白のもくろむ e4 突きに対する圧力を増すために作戦を変更した。e4の地点を駒で占拠してそのポーン突きを止めることもできたが、8…Ne4 9.Nxe4 fxe4 10.Nd2 d5 11.f3 e3 12.Nb1 となって黒の中原が崩壊し始める。白はすぐに中原で強力な多数派ポーンができるので、このようにナイトを安全に反展開することができる。途中で黒が 11…exf3 と取れば、12.Nxf3 で白が出遅れeポーンの前のe5の地点を支配することになる。

9.e4

 この手は気が狂ったように見えるがそうではない。うまい戦術の裏付けがあるので、白はこの戦略的に重要なポーン突きを実行することができる。しかし実際はあとで実行した方がもっと効果的だったかもしれない。

9…fxe4 10.Nxe4 Nxe4 11.Rxe4(図122)

 図122(黒番)

 黒の弱いeポーンが素通しe列で白の圧力にさらされている。そしてたぶん白のキング翼ビショップもh3の地点から圧力をかけてくる。しかし黒は駒の働きが良くて、自分から …e5 と突いて反撃し弱点をすべて消し去ることにより互角の形勢にできる。

 11…Qxe4? は成立せず 12.Nh4! で驚いたことに黒クイーンが盤の中央で捕獲されてしまう。だから黒は次のようにできるだけ迅速に展開しなければならない。

11…Nc6

 そして次の手で

12.Qe2

 白が圧力を強める。

12…Bf6 13.Bd2 e5! 14.dxe5 Nxe5 15.Nxe5 Bxe5

 形勢は互角である。

(この章続く)

2011年09月05日 コメントは受け付けていません。

カテゴリ: チェス布局の指し方

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