チェス布局の指し方[74]

チェス布局の指し方[74]

dポーン布局と側面布局

第12章 オランダ防御

1.d4 f5(図116)

 図116(白番)

 オランダ防御は黒番で攻撃的に指したい選手に非常に人気がある。この戦法の主要な目標は敵キングへの攻撃である。黒の初手は早くもキング翼で陣地を広げている。そして黒は通常はこの広さを生かして …e6/…Nf6-e4/…Be7 または …d6/…O-O から …h6 と …Qe8-h5 のような捌きを実現する。黒はそれからgポーンを突いていって白のh2の地点を叩き壊すことをもくろむことができる。この作戦の採用により黒は圧倒的な勝利を数多く収めてきた。しかし黒の初手はいくつかの原則に背いている。(a)…f5 突きはどの駒も展開していないばかりか、展開の助けにもなっていない。(b)fポーンを突くと黒キングの囲いを弱める。白は正しく指せば、ちょうどよい時機にe4にポーンを突き中原を開放し黒の弱点をすべてさらけ出させることにより優勢を勝ち取ることができるはずである。

 白はすぐにe4の地点をめがけて素早い展開のためにギャンビットをすることもできるし、穏やかに駒を展開して後日e4へポーンを突いていくことを目指すこともできる。後者のやり方がより効果的であると考えられる。オランダ防御は黒陣を弱めているのでポーンを犠牲にして有利さを求める必要はない。

 これまで分析してきた多くの戦型はチェスの思想の発展で一定の歴史的な段階を経てきた。だからキング翼ギャンビットやジュオッコピアノは現代の大会ではたまにしか見られないし、もっと洗練されたルイロペスに取って代わられている。クイーン翼でもニムゾインディアン防御やキング翼インディアン防御が通常のクイーン翼ギャンビット拒否よりもあとの歴史の舞台で発展してきた。しかしオランダ防御にはそのような誇るべき知的な伝統がない。というのはチェスの思想の具体的な段階を表現していないからである。この防御は自陣に弱点を抱えることを恐れない攻撃的な選手にいつも好まれてきた。

 まず白のギャンビットの戦型から分析する。

(この章続く)

2011年08月15日 コメントは受け付けていません。

カテゴリ: チェス布局の指し方

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