チェス布局の指し方[71]

チェス布局の指し方[71]

dポーン布局と側面布局

第11章 キング翼インディアン防御(続き)

4ポーン攻撃

1.d4 Nf6 2.c4 g6 3.Nc3 Bg7 4.e4 d6 5.f4(図110)

 図110(黒番)

 白は黒の布局の手に乗じて最も極端な方法で中央をポーンで占拠した。キング翼インディアン防御の黎明期には白によるこのような陣地の征服はほとんど勝負がついたものとみなされていた。しかし今日では白の広大なポーン中原には弱点が存在すると認められている。特に f4 突きは白キングの周りの枡を弱めている。黒は白の伸び広がった中原を …c5 突きで襲撃することができ、dポーンを進ませて …e6 突きと …b5 突きで揺さぶっていく。4ポーン攻撃はもうマスターの実戦ではあまり人気がなくなっている。しかしこのような広大な中原は黒が正確な防御によって無害にできることを示すためにここで分析する。

5…O-O 6.Be2

 6.Nf3 だと黒が 6…Bg4 から …Nc6 で白のd4の地点に圧力をかけることができるので、白はナイトよりも先にビショップを展開した。この着眼点は現代防御の章のオーストリア攻撃の節でもっと詳細に解説する。

6…c5!

 白のdポーンに対する突っ掛けは折り紙付きの手段である。白が 7.dxc5 と取れば …Nxe4 を狙いに 7…Qa5 と出て展開に優る黒が有利な態勢になる。白の最も安全な針路は次の手のように中原で陣地を広げることである。

7.d5 e6

 切り崩し作戦が始まった。白が相手に弱い出遅れdポーンを作らせることを期待して 8.dxe6 と取れば、黒は …Bxe6 から …Nc6 と応じて展開が速まり半素通しe列での白のeポーンに対する攻撃の可能性が生まれる。白は展開で後れをとっている間は局面を閉鎖的に保つよう努めた方がよい。

8.Nf3

 白が展開を完了しようとしているのは賢明である。

8…exd5 9.cxd5(図111)

 図111(黒番)

 白はこの手で中原に可動多数派ポーンを維持しようとしている。この局面で黒には非常に効果的な戦術の手段がある。それは伸張した白のポーン中原に対して、このような局面につきものの指し方である。

 黒はまず 9…b5 と突き …b4 で白のクイーン翼ナイトを当たりにして白のeポーンをただ取りにすることを狙う。9…b5 はこのポーンが二重に当たりになっているのでばかげた手に見える。しかし白はほとんどこのポーンを取ることができない。10.Nxb5 と取ると黒は単純に白のeポーンを取る。また 10.Bxb5 と取ると次のようにきれいな手筋が決まる。10…Nxe4 11.Nxe4 Qa5+ 12.Kf2(12.Nc3 は 12…Bxc3+ 13.bxc3 Qxb5 で白陣ががたがたになる)12…Qxb5 13.Nxd6 Qa6 14.Nxc8 Rxc8 白のぼろぼろの陣形と露出したキングに照らすと、黒はポーン損でも十分反撃が可能である。

 白は10手目でポーンの犠牲を拒否し、中原で自分の多数派ポーンで押しまくった方がよい。だから 10.e5 dxe5 11.fxe5 と指すべきだが、11…Ng4 で白のeポーンに対する黒の反撃は均衡を保って余りある。

 これは難解な局面で多くの研究が行なわれ、秘密を解明するには一般原則の専門書よりも具体的な分析の本が必要である。12.Bg5 Qb6 からは難解な手順が始まる。しかし黒には 12…f6 13.exf6 Bxf6 14.Bxf6 Qxf6 という手もあり-こちらを推奨する-まともな局面で黒枡で強く指せる。特に白のe3の地点は非常に弱くなっている。この手順は大局的に理にかなっていて、こんなところで難解な「定跡手順」に煩わされる必要などさらさらない。

(この章続く)

2011年07月25日 コメントは受け付けていません。

カテゴリ: チェス布局の指し方

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