チェス布局の指し方[70]

チェス布局の指し方[70]

dポーン布局と側面布局

第11章 キング翼インディアン防御(続き)

古典型戦法

1.d4 Nf6 2.c4 g6 3.Nc3 Bg7

 代わりに 3…d5 と指せばグリューンフェルト戦法になり、白は 4.cxd5 Nxd5 5.e4 Nxc3 6.bxc3 でポーン中原を築くことができ、黒はやがては切り崩すことを期待する。

4.e4 d6 5.Be2(図108)

 図108(黒番)

 これが古典型システムの真骨頂である。白は駒を迅速に中央部の好所に展開した。5.Be2 でできるだけ早くキャッスリングすることを意図し、そのあとはクイーン翼のポーンを突いていく。5.Bd3 はあまり良くない。キング翼ビショップがd3にいてもキング翼攻撃の機会がなく、黒のクイーン翼ナイトがc5の地点に来れば攻撃にさらされる。

5…O-O 6.Nf3 e5

 この手はここではほとんど例外なく指される。黒は白がd5と突いて中原を安定させることを期待している。そのとき黒はキング翼ナイトをどけてfポーンを突き、言わずと知れたキング翼ポーン雪崩を始動させる。6…Nc6 と展開するのは的外れである。7.d5 と突かれるとクイーン翼ナイトの良い逃げ場所がない。しかし 6…c5 はある手である。例えば 7.d5 e6 となって一種のべノニの局面になる。

7.O-O

 差し出された黒のポーンを取っても何にもならない。7.dxe5 dxe5 8.Qxd8 Rxd8 9.Nxe5 Nxe4! で白の飛び出したナイトに当たりが直射する。代わりに 7.Be3 なら可能で、この自然な展開の手が米国のグランドマスターのレシェフスキーの得意な手だった。普通このような手は 7…Ng4 が見えているのであまり良くない手なのだが、ここでは黒のクイーンに当てて先手でビショップを動かすことができる。例えば8.Bg5 f6 9.Bh4 で互角である。

7…Nbd7

 この手はeポーンを支えると共に、8…exd4 9.Nxd4 Nc5 で白のeポーンに圧力をかける用意もある。だから白はこの狙いを武装解除する。代わりにカスパロフのよく指す 7…Nc6 は良い手だが非常に難解である。

8.d5 Nc5

 ナイトが先手で中央の好所に来た。白は次のようにeポーンを守らなければならない。

9.Qc2

 これで黒にクイーン翼ナイトの位置を安泰にする手が与えられる。

9…a5(図109)

 図109(白番)

 黒がこの手を指さなければ白は b4 と突いて黒ナイトを追い払いクイーン翼で陣地を広げる。そうなれば白が c5 突きを準備するのは容易になる。例えばクイーン翼ビショップをa3に置きルークをc1に回すという具合である。そして c4-c5xd6 に続いて Nb5 から Qc7 によって黒のクイーン翼に侵入する手はずが整う。黒の守られていないdポーンは白駒の攻撃目標になる。図の局面で黒にはキング翼ナイトを動かして …f5 と突く用意ができていて、それは白にとって面白くない。白はマスターの実戦に数多く現われた次のような捌きに突き進むしかない。

10.Bg5

 まずキング翼ナイトを釘付けにする。

10…h6

 黒は釘付けをはずさなければならない。

11.Be3 Ng4

 白のクイーン翼ビショップを当たりにして先手でfポーンの障害をなくした。

12.Bxc5!

 普通キング翼インディアン防御でこのようにビショップをナイトと換えるのは非常に良くない。なぜなら白は黒枡を守るのにクイーン翼ビショップが必要だからである。しかしここでは例外的な戦術の核心がある。

12…dxc5 13.h3! Nf6

 他に指しようがない。黒は10手目で釘付けをはずしたときナイトの可能な引き場所の一つを奪ってしまっている。

14.Nxe5 Nxd5

 白のナイトに直射攻撃をかけた。ポーンを取り返すにはこう指すしかない。

15.cxd5!

 中央に向かって取り返した。

15…Bxe5 16.f4 Bd4+ 17.Kh2

 黒に双ビショップを与えた代償に白には非常に強大な中原がある。この中原は Bc4 と Rae1 とによって支援することができる。白の方が少し有望と考えられるが、逆の立場の強力な議論はフィッシャーがこのような局面を黒で指して好成績をあげているということである。

(この章続く)

2011年07月18日 コメントは受け付けていません。

カテゴリ: チェス布局の指し方

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