王印防御の完全理解(137)

王印防御の完全理解(137)

第4章 アベルバッハ中原(続き)

4.3 実戦例(続き)

 図188(再掲)黒の手番 

 この局面で黒には主要な作戦の選択肢が三つある。

 (1)10…Bf5(e4の地点を支配するための過激な手段)11.Bxf5 gxf5 12.O-O Ne4 13.Ne2 難解な局面で、黒の陣形上の不利が駒の機動性の優位によってしっかり補われている。

 (2)10…Bh6 11.O-O Bxe3 12.fxe3 Nbd7(12…Rxe3? は 13.Qd2 のあと Qh6 から Ng5 で白が詰み狙いの攻撃にでる)つかみ所のない局面で、白はしばしばf列で強力な圧力をかけることができる。

 (3)10…Nh5(…Nh5-g3 の狙い)11.O-O Nd7 12.Qd2(他に二つの変化があり 12.g4 ならは 12…Nhf6 で黒はこのあと …h7-h5 と突いていくし、12.Bg5 なら 12…f6 13.Bd2 f5 14.Ng5 でe6の地点の弱点につけ込むことになる)12…Ne5 13.Nxe5 Rxe5 黒が持ちこたえられるはずである。

10…b5!?

 主眼のポーン突きだがこの局面では滅多に見られない。黒はe4の地点を支配するためにポーンを犠牲にする。

11.Nxb5

 11.cxb5 とポーンで取ると白のdポーンがひどく弱くなるので黒は …Nb8-d7-b6 から …Bc8-b7 と指すことができる。

11…Ne4

 …Ne4-g3 の狙いと共に、ビショップの筋を開けてb2のポーンを当たりにした。

12.O-O

 白は展開を完了するためにきちんとポーンを返すことにした。他の手は危険が多い。例えば 12.Bxe4 は 12…Rxe4 13.Qc2 Bf5 だし、12.Qc2 は 12…Qa5+ 13.Nd2 a6!(この手は 13…Ng3 14.fxg3 Rxe3+ 15.Kf2 で問題を抱えるよりずっと良い)で、どちらの場合も黒に代償が十分ある。

12…Bxb2?

 後の祭りだがこの当然そうな手は悪手と見られる。たぶん 12…a6 と突かなければいけなかっただろう。例えば 13.Nc3 Nxc3 14.bxc3 Bxc3 15.Rb1 Nd7 となれば白は優勢といってもほんのわずかである。

 実戦の手のために白が黒ルークを戦いの真っ只中に有利に引きずり込むことができた。

13.Bxe4! Rxe4

 13…Bxa1 と取ると例えば 14.Qxa1 Rxe4 15.Bg5! Qd7 16.Bh6 で白の黒枡での攻撃が熾烈になる。

14.Qc2! Rxe3!

 ここは勝負どころである。14…Bxa1 とこちらを取るのは 15.Qxe4 で黒のdポーンが致命的に弱くなる。例えば 15…Bf6 なら 16.Qf4 Be7 17.Ng5 だし、15…Bg7 なら 16.Qh4! Qb6 17.Bf4 Bf8 18.Ng5 h6 19.Ne4 g5 20.Qg3 である。

15.Qxb2!

 これは平凡な 15.fxe3 Bxa1 16.Rxa1 よりもはるかに有望である。

15…Rxf3?!(図189)

 図189 白の手番 

(この章続く)

2011年07月18日 コメントは受け付けていません。

カテゴリ: 王印防御の完全理解

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