チェス布局の指し方[69]

チェス布局の指し方[69]

dポーン布局と側面布局

第11章 キング翼インディアン防御

1.d4 Nf6 2.c4 g6 3.Nc3 Bg7(図107)

 図107(白番)

 この防御はニムゾインディアン防御よりもさらに一歩先を行っていて、白に念願のポーン中原をいともやすやすと構築させる。黒はこの中原は実際は黒にとってそれほど恐ろしくないと信じている。

 19世紀の終わり頃と20世紀の初め頃のマスター選手は序盤の段階でc4、d4およびe4に何の妨害も受けずにポーンを並べることができれば勝ったも同然と考えていた。しかし1920年代から1930年代になるとそのような考え方はいわゆる「超現代派」マスターたち(ニムゾビッチ、レーティ、ブレイェル)によってくつがえされた。彼らは広壮なポーン中原は相手がわざと控えておいたポーンを突いてくる反撃にさらされるので敗北の種ともなりうることがあることを示した。キング翼インディアン防御はこの手の防御法に属し、ついには1940年代から1950年代にソ連のグランドマスター、とりわけボレスラフスキーとブロンシュテインによって詳細が完成された。それ以来この防御はすべての一流グランドマスターの得意戦法の中で確固とした地位を占めている。

 キング翼インディアン防御は激しい戦法で、多くの戦術の可能性や思いがけない強襲が両陣営に生まれる。クイーン翼ギャンビット拒否やニムゾインディアン防御よりかなり危険なので、どちら側のキングにも攻撃が及ぶ可能性のある激しい戦術の局面を好み、勝っても負けても面白さに異存のない選手に受けている。世界チャンピオンのガリー・カスパロフと元世界チャンピオンのボビー・フィッシャーは大得意にしている。フィッシャーは1992年のボリス・スパスキーとの復帰戦でこれを何度も用いた。

 黒の戦略は白の中原にあとから …c5 突きによって攻撃を仕掛けることに基づいている。そして d5 突きを誘って白の中原を …e6 突きと …b5 突きによって崩していく。あるいは(…c5 突きの代わりに)…e5 と突くこともあり、白が d5 突きで陣地を広げれば黒はキング翼ナイトをe8またはh5に動かして …f5 突きによるキング翼攻撃を始めることができる。このような攻撃はもし白がキング翼にキャッスリングしていれば …f5-f4 突きから …g5 突きで自動的に勝てることがよくある。

 4ポーン攻撃の節ではもし白がc4からd4とe4を通ってf4にまで及ぶポーンで誇大妄想者並みに中原を占めれば災難に見舞われることがあり得ることを目撃する。以降の節では白が既に征服した中原の陣地を固めることに専念するシステムを分析する。

(この章続く)

2011年07月11日 コメントは受け付けていません。

カテゴリ: チェス布局の指し方

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