チェス布局の指し方[68]

チェス布局の指し方[68]

dポーン布局と側面布局

第10章 ニムゾインディアン防御(続き)

白が二重ポーンを避ける

1.d4 Nf6 2.c4 e6 3.Nc3 Bb4 4.Qc2(図105)

 図105(黒番)

 これは二重ポーンを避ける唯一の方法で、マスターの実戦で流行している(cポーンが二重になるのを防ぐ他の手はまったくつまらない)。棋理の点で白の構想(cポーンを二重ポーンにせずに双ビショップを得ること)は非常に理にかなっている。しかし序盤で白クイーンがd1からc3に行くのに手数がかかるので黒には反撃策がたくさんある。

4…O-O

 クイーン翼キャッスリングはとても考えられそうにないのでこの手は妥当な手である。もちろん 4…c5 と 4…d5 も文句のない手である。

5.a3

 白が 5.e4 突きで中原進攻を急ぐのもありそうだが、よくある手筋の 5…c5! 6.d5(6.e5? cxd4)6…exd5 7.cxd5 Nxe4! 8.Qxe4 Re8 で負けてしまう。途中 7.exd5 でも 7…Re8+ で黒が優勢である。

5…Bxc3+

 もし 5…Be7 ならそれこそ本当に白は 6.e4 と突き、黒は白の中原によって押しつぶされるだろう。

6.Qxc3 b6

 ニムゾインディアン防御ではよくあることだが、黒は白のe4の地点に駒の利きを重ねて白の強力なポーン中原の形成を防ぐ。

7.Bg5

 白はナイトを釘付けにしてe4の地点に対する黒駒の影響力を減らした。

7…Bb7 8.e3

 これは展開を完了するための通常の手である。

8…d6 9.f3

 白はe4の地点の支配を主張するためには、キング翼ナイトを最良の地点に展開するのを犠牲にする覚悟である。しかしこれにより黒に動員を完了する手数をさらに与えた。

9…Nbd7

 クイーンが動けるようにキング翼ナイトを守った。黒はどうしてもfポーンを二重ポーンにさせたくなかった。

10.Bd3 c5

 白がまだ駒を出撃させている間に黒はもう白のポーン中原を攻撃する態勢になった。

11.Ne2 Rc8(図106)

 図106(白番)

 黒は白のcポーンに砲火を集中させている。それに展開が楽で、白の双ビショップに対する補償として出来合いの作戦もある。1971年英国選手権戦で指された最上位のイギリス選手同士の試合は次のように進んだ。

12.O-O h6 13.Bh4 Ba6

 cポーンに黒駒の利きがまた加わった。白は何とかしなければならない。

14.d5 Ne5 15.e4 Nxd3 16.Qxd3 e5

 完全に互角の形勢である。局面は閉鎖的で、白はもう双ビショップ態勢でなくなっている。すぐに引き分けが合意された(ホワイトリー対カファーティー、ブラックプール、1971年)。白は途中で 14.b3 と指すこともできた。しかし 14…cxd4 15.Qxd4(15.exd4? は 15…b5! でc4に当たる)15…d5 となって、カスパロフの分析によれば互角の局面である。

(この章終わり)

2011年07月04日 コメントは受け付けていません。

カテゴリ: チェス布局の指し方

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