チェス布局の指し方[64]

チェス布局の指し方[64]

dポーン布局と側面布局

第10章 ニムゾインディアン防御

1.d4 Nf6 2.c4 e6 3.Nc3 Bb4(図98)

 図98(白番)

 この布局における白の主要な大望の一つは強力なポーン中原を構築して、その背後で駒を静かに集結して攻撃できるようにすることである。1.d4 のあと白は 2.e4 と突いて目標を一部達成することを狙っている。前章では黒がおうむ返し又は石垣作りの 1…d5 でこの狙いをかわすのを見た。ここでの 1…Nf6 も同じ目的を達成するが、ポーン突きの代わりに駒の展開を用いている。2.c4 e6 3.Nc3 のあと白はまたも強力な e4 突きを狙っている。そしてまたも黒はポーンによるせき止めの …d5 突きでなく …Bb4 による釘付けでこの狙いを防いでいる。

 白のe4の地点に対する指し方はニムゾインディアン防御における黒の戦略の主題の一つになっている。そして黒はしばしばクイーン翼ビショップをb7に展開することによりこの主題を補強し急所に対して圧力を加える。

 長い目で見れば黒は白がポーンをe4の地点に進めるのを防げないかもしれないが、代償として …Bxc3 と取ることにより相手に二重ポーンを作らせることができる。ニムゾインディアン防御の創始者でグランドマスターのアーロン・ニムゾビッチは1920年代後半と1930年代前半には世界選手権挑戦候補だったが、相手に二重ポーンを作らせた局面の扱いの偉大な専門家だった。

 以前に二重ポーンの相対的な長所と短所について説明した。ニムゾインディアン防御では二重ポーンがよく現れるので、この章の4節のうち3節は黒が白陣に二重ポーンを生じさせる状況を調べる。それらを研究することにより読者はどのような二重ポーンの形が白と黒のどちらに有利に働くのかを見極めることができるようになるだろう。最後の節では白が4手目で駒でクイーン翼ナイトを守って二重ポーンになるのを避ける戦型が出てくる。

 黒が自ら双ビショップを放棄しそれにより不均衡なポーンの形も生じさせる防御法はどれも引き分けに終わりにくい激しくて動的な局面になりがちである。従ってニムゾインディアン防御は黒番で 1.d4 に対して勝ちたい大局観派の選手に受けている。

(この章続く)

2011年06月06日 コメントは受け付けていません。

カテゴリ: チェス布局の指し方

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