チェス布局の指し方[4]

チェス布局の指し方[4]

第1章 展開と戦術(続き)

1.4 中原の支配

 展開に関連した最も重要な概念は盤上の中原の支配である。ナイトまたはビショップをまず空の盤の中原の4箇所の地点のいずれかに、次に(例えば)2段目の地点の1箇所に、最後に盤の端または隅の1箇所に置いて行ける地点の数を数えることにより、中原に置かれた駒がそうでない駒よりも多くの地点に利いていることが容易に分かる。この簡単な確認から駒は可能ならば中原の支配に役立つ地点に配置すべきであるという論理的な結論が得られる。そうすれば試合が進むにつれて中原を占拠しそれにより盤の大部分を支配することが可能になってくるだろう。

 ここで読者は「どの地点に駒を展開したらよいのか」という質問をしたくなるかもしれない。単純な答えで済むならばチェス布局についてのもっと上級の本の多くは要らなくなるだろう。白の用いることのできる展開の作戦は多種多様である。これらの作戦のそれぞれに対して黒にも色々な展開の仕方がある。特定の布局やその布局の中の戦法を生み出すのは両者の戦法の組み合わせによるものである。

 駒の展開のための一般的な原則を挙げるよりもナイトとビショップを特定の地点に展開する長所と短所を並べるほうが読者にとって大切だと思う。通常はクイーンとルークの展開は中盤の戦略に大きく関わっている。一般原則を一つだけなら挙げることができる。「試合の早い段階でクイーンを展開するな。」本書の中心となる章では読者はこの原則がよく当てはまる色々な局面に出くわすだろう。またすべての原則につきものの少数の反例にも出会うだろう。

(この章続く)

2010年03月22日 コメントは受け付けていません。

カテゴリ: チェス布局の指し方

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