王印防御の完全理解(45)

王印防御の完全理解(45)

第2章 ペトロシアン中原(続き)

2.1 戦略の着眼点(続き)

f4の要所

 一般的に言うとf4の地点の占拠が黒の最も重要な目的の一つとなる主要な状況は二つある。それは白が h2-h3 と突いている時、または白が既にキャッスリングしている時である。

 最初の場合次の図はf4の占拠が白のキング翼キャッスリングには依存しないことを強く裏付けている(図68)。

 図68 

 白は g2-g3 突きによってキング翼のポーンをさらに弱くするわけにはいかない。というのはまず第一に h2-h3 突きの攻撃的な目的(次に g2-g4 と突く)が無効になり、第二に黒が …f7-f5 突きのあと …f5-f4 と突撃する危険な可能性が出てくるからである。従ってf4の地点を守るために、白は不自然に見える捌きの Nh2 Nf4、Bf3 f5 に頼らなければならない。そしてここでhポーンをただ取りされないようにまず h4 と突いてから g3 と突かなければならない。図から容易に分かることは、Bc1xf4 と交換するのは不良ビショップが解放されるのと黒枡で強く指せるので黒の戦略的成功となることである。

 二番目の場合の例(図54の解説で既に一見している)は …h7-h6 突きのあと白がビショップをe3に引いたとき生じる(図69)。

 図69 

 このような状況では黒は …Nf6-h7(または -d7)と引いて …f7-f5 と突くかまたはf4の地点を占拠するかを選択して反撃の基盤とすることができる。後の方の作戦は白がキング翼にキャッスリングすると重要性を増し、黒は三通りの手段で進展を図ることができる。(1)白のキング翼ナイトがまだf3の地点にいればすぐに …Nf6-h5 と跳ねる。(2)白のキング翼ナイトがd2の地点にいれば …Bc8-g4 と出て、f2-f3 Bg4-d7 のあとh5の地点の支配を狙う。(3)白のキング翼ナイトがf3の地点から移動していてもすぐに …Nf6-h5 と跳ね、双ビショップを放棄して黒のhポーンを二重ポーンにするよう相手に迫る。

 f4の地点を占拠する着想は …f7-f5 突きの作戦とはまったく別個の別策と見るべきでないことは明らかである。この二つの手段はよく組み合わされる。

(この章続く)

2011年04月17日 コメントは受け付けていません。

カテゴリ: 王印防御の完全理解

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