王印防御の完全理解(43)

王印防御の完全理解(43)

第2章 ペトロシアン中原(続き)

2.1 戦略の着眼点(続き)

f2-f4 突き

 …f7-f5 突き(特にその後の …f5-f4 突き)に対抗する別の手段は e4xf5、g6xf5 の交換の前か後に f2-f4 と突くことである。この種の作戦の基本的な考え方は、中原を開放することによりキング翼での黒の攻撃を弱め、それと同時に黒キングのやや露出した状態につけ込む機会を得ることである。そのような戦略はクイーン翼ビショップのe3の地点への展開に先行するのがほとんど常で、黒がcポーンをc5に突いたかどうかにより微妙な違いが出てくる(図62)。

 図62 

 黒がc5の地点を駒で占拠している時には、白は中原を開放しおよび/または e4xf5 g6xf5、f2-f4 突きによってd4の地点の支配を目指すことができる(図63)。

 図63 

 一般に …e5-e4 突きによる局面の閉鎖は、Be3 が既にポーンをせき止める位置にあり、d4の地点は(例えば Nd2-b3 または Nc3-b5 により)すぐに白の手中に落ち、e4-f5の連鎖ポーンはのちに g2-g4 突きによっていつでも破壊できるので、白を困らせることにはなりそうもない。

 黒の最善の対処法はf4の地点で交換し、駒を中央に集結させてポーン形の劣勢の適切な代償を求めることである。

 一方黒が …c5 と突いている時には、白は前図のように Nf3-d2 と捌かずに、キング翼ナイトをe1からd3に捌くのが普通である(b2-b4 突きと f2-f4 突きを支援するため)。しかしナイトがd3にいる場合は、白が e4xf5 と取りその後 f2-f4 と突くと、黒は先手で …e5-e4 と突くことができるようになる(図64)。

 図64 

 このような局面では黒は …e5-e4 と突き Nd3-f2 のあと …Bg7xc3 と交換し、白のポーンを動けなくすることができる。そのあとの g2-g4 突きは …Nd7-f6 で防ぎ、必要ならば …h7-h5 と突く。このように黒は双ビショップでなくなったにもかかわらず(特にフィアンケットされたキング翼ビショップ)、局面の閉鎖性と白のポーンの仕掛けのないことのおかげで、均衡した局面になる。

 結果として黒が …c5 と突いた時には白は e4xf5 の交換を延期して、すぐに f2-f4 と突きいくらかの優勢を維持しようとすることがよくある(図65)。

 図65 

 このポーン突きの主要な目的は変わらない。即ち中原を開放し黒キングの露出した状態につけ込もうとすることである。この局面で黒は …g5 と突くことによりキング翼での攻撃を再開しようとしてきた。しかし fxe5 Nxe5(…f4、e6 fxe3、exd7 Bxd7、e5 dxe5、Ne4 は戦略的に白が優勢である)Nxe5 Bxe5、exf5 Bxf5、g4 のあと、gポーンに対する速攻(Qd2 h6、h4)のおかげで白が主導権を保持している。

(この章続く)

2011年04月15日 コメントは受け付けていません。

カテゴリ: 王印防御の完全理解

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