チェス布局の指し方[55]

チェス布局の指し方[55]

eポーン布局

第8章 カロカン防御(続き)

4…Nf6 の古典システム

1.e4 c6 2.d4 d5 3.Nc3 dxe4 4.Nxe4 Nf6(図82)

 図82(白番)

 4…Bf5 に代わる手は本譜の手と 4…Nd7 の2手がある。4…Nd7 のあと白の通常の手順は 5.Bc4 Ngf6 6.Ng5 e6 7.Qe2(8.Nxf7! の狙い)7…Nb6 で、ここで 8.Bd3 または 8.Bb3 で白が優勢になる可能性が大きい。

5.Nxf6+

 手損をしないのとすぐに黒にどのように取り返すのかという問題を突きつけるのでこの交換が最善である。5.Ng3 は黒がすぐに 5…c5! で中原を解体することができる。

5…gxf6!?

 5…exf6 と取る方が危険が少ないが、ポーンの形に優る白が永続的に優勢になる(なぜこのようなポーンの形だと白の方が有利なのかという議論については、ルイロペスの交換戦法の節を参照されたい)。

 本譜の手のあと局面は急戦調になる。黒のキング翼はひどく乱れていて、キングはそちらに避難するわけにはいかない。黒のこれからの作戦はクイーン翼をすばやく展開し、…O-O-O とキャッスリングし、素通しのg列で攻撃の機会をつかむようにすることである。

6.c3

 白の最善手を決めるのは簡単でない。本譜の手は最もよく指されている。この手はdポーンを保護し、中原を強化し、戦型によっては …Qa5+ を介して黒クイーンが迅速にキング翼に移動することによる戦術の可能性を防いでいる。

6…Bf5 7.Ne2

 このナイトはg3に行って黒のビショップをいじめキング翼を守る。ためになる間違いは 7.Qb3?! Qc7 8.Bf4? で、白はビショップを犠牲にして黒のクイーン翼ルークを取ろうとする。しかし 8…Qxf4 9.Qxb7 Bh6(10…Qd2# の狙い)10.Nf3 O-O 11.Qxa8 Qc7 で白クイーンが捕まる。12.d5 としても 12…Qb6 13.Bc4(他に適当な手がない)13…Bc8(…Bb7 の狙い)14.dxc6 Nxc6 のあと …Bb7 が防げないので逃げられない。

7…h5

 この手はナイトからg3の地点を奪うか、白枡ビショップの交換を容易にする意図である。7…Nd7 のような展開では黒のビショップは働きのない地点に追いやられてしまう。例えば 8.Ng3 Bg6 9.h4 h6 10.h5 Bh7 11.Bc4 で白が主導権をつかむ。

8.h4

 白はナイトがずっとg3の地点にいられるようにした。8.Ng3 は正確さで少し劣り、8…Bg4 9.Be2 Bxe2 10.Qxe2 Qd5! 11.O-O h4 12.Ne4 Nd7 13.Bf4 O-O-O 14.h3 Rg8 で黒がg列で反撃できる。

8…Nd7 9.Ng3 Bg4 10.Be2

 10.f3 は白のキング翼を弱める。

10…Bxe2 11.Qxe2 Qa5 12.O-O O-O-O

 黒は作戦の第一段を完了したが、ゆっくりしすぎていて白の攻撃が始まってしまう。

13.c4 e6(図83)

 図83(白番)

 この局面は第18回全ソ連選手権戦のアベルバッハ対ソコルスキー戦に現れた。その試合では白は次のように指した。

14.a3

 この手はクイーン翼でポーンの暴風を見舞う意図である。しかし黒にビショップを戦いに参加させる余裕を与えた。

14…Bd6!

 ボレスラフスキーは代わりに 14.Bf4 を推奨した。こう指せば白は連係に優るので攻撃が非常に有望になる。例えば 14…Bh6? 15.Bxh6 Rxh6 16.d5! cxd5 17.cxd5 Qxd5 18.Qe3 でキング翼のルークとaポーンの両当たりになる。

(この章続く)

2011年04月04日 コメントは受け付けていません。

カテゴリ: チェス布局の指し方

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