チェス布局の指し方[1]

チェス布局の指し方[1]

第1章 展開と戦術

 チェスの布局は1局の中で白と黒が来るべき中盤戦の戦いのためにできるだけ有利に自分の駒を配置しようとする段階である。

1.1 展開

 駒を元の位置から前進させる過程は展開と呼ばれる。

 駒をどの地点に配置(または展開)するのが一番良いかを決める時には色々な要素を考慮しなければならない。駒をある地点に展開する唯一の理由が見え見えの戦術的な狙いのためというのは良い考えでないのが普通である。その狙いが相手の応手によって無効になってしまうと展開した駒は見当違いの地点にいることになり何の役にも立たない。一つの簡単な例はまったくの初心者がよく指す手である。1.e4 e5 の後 2.Qh5 は 3.Qxe5+ を狙った露骨な手であり、少し高級な 3.Bc4 から 4.Qxf7#(学者の詰み)の着想もある。黒は 2.Qh5 に対して 2…Nc6 と応じる(第1図)。

 図1(白番)

これでe5のポーンは守られていて黒は 3…Nf6 または 3…g6 から 4…Bg7 で白クイーンを当たりにして自分の展開を加速させることができる。

 対照的に、狙いを持ちながら駒を効果的な地点に展開するのは通常良い指し方である。このようにすれば相手はこちらの狙いに手をかけなければならないので「手得」(1手余計に指せること)するかもしれない。相手の応手が展開に役立たないならばこちらの直前の手はただで指せたことになる。だから「1手得をした」ことになる。相手の応手も展開にあたる手ならば何も得しなかったことになる。なぜなら両者とも1手ずつ展開の手を指したからである。しかしこの応酬でどちらも失ったものは何もない。

 例えば次の手順を考えてみよう。1.e4 Nf6(アリョーヒン防御)2.e5 Nd5 ここで白は 3.Bc4 と指せば黒のナイトに当たっているのでただで展開できるように思えるかもしれない。しかし黒が 3…Nb6 と引くと今度は白のビショップが当たりになっていて、3手目で「手得」した1手はビショップを引く4手目(4.Bb3 または 4.Be2)で返さなければならない。

(この章続く)

2010年03月01日 コメント(2)

カテゴリ: チェス布局の指し方

コメント


コメント

  1. kathmanz より:

    松戸の加藤です。お久しぶりです。

    今オープニングを勉強しなおしてます。

  2. Yamagishi より:

     チェス500名局は中止してこれに変えました。今のところ毎週月曜だけの掲載なので進行は遅いです。



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