チェス布局の指し方[53]

チェス布局の指し方[53]

eポーン布局

第8章 カロカン防御

1.e4 c6(図79)

 図79(白番)

 カロカン防御の戦略構想はフランス防御(1.e4 e6)の発想と似かよったところがある。どちらの布局でも白は 2.d4 で完全なポーン中原を築くことができ、黒はd5にポーンを進めてその影響を妨害しようとする。元世界チャンピオンのボトビニクとペトロシアンを含むいく人かの強豪選手たちは棋歴のなかで何度かこの二つの布局を代わる代わる用いてきた。

 どちらの布局がより「棋理」に合っているかという問題は答えるのが難しい。フランス防御の信奉者は、カロカン防御の本手順では 1.e4 c6 2.d4 d5 3.Nc3 のあと黒はd5のポーンを維持する良い手段がなく 3…dxe4 と取ることにより中原を放棄しなければならないと指摘する。カロカン防御の支持者はフランス防御の 1…e6 は不必要にクイーン翼ビショップを閉じ込めこの駒を受け身の役割に運命づけると反論するだろう。

 カロカン防御のポーン構造の主要な利点は白の中原ポーンの一つがすぐに交換されてフランス防御のように永続する押し込めを白が発揮できないことにある。また黒の駒は展開に問題がない。しかしそれらの駒の占める位置は活動的というより防御的であることがよくある。カロカン防御の最も目に付く欠点は黒が守勢に陥るのが通常で、勝つ可能性は自分の積極的な作戦の成功によることよりも白の間違いよることが多いことである。

 歴史的にはカロカン防御はフランス防御よりもずっと最近になってから発展してきた。定跡の名前の由来になっているH・カロとM・カンの二人のマスターは共に1890年代に活躍した。しかし重要な定跡のほとんどはボトビニクが世界チャンピオンとして君臨した1950年代から始まる。

(この章続く)

2011年02月28日 コメントは受け付けていません。

カテゴリ: チェス布局の指し方

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