王印防御の完全理解(17)

王印防御の完全理解(17)

第1章 マルデルプラタ中原(続き)

1.1 戦略の着眼点(続き)

f4の地点の弱点

 図1の局面で白はすぐに b2-b4 と突くこともできるし、まずナイトをd2の地点に移してから b2-b4 と突くこともできる。前準備のナイト引き(d2かe1へ)によりクイーンとビショップの利きがd1-h5の斜筋にとおり、黒が迅速に …Nf6-h5-f4 としてf4の弱点を利用するのを防ぐことができる。白はすぐに b2-b4 と突いてもこの捌きを実行することができる(図21)。

 図21 

 ここで白はキングの囲いを薄くしても g2-g3 と突いてf4の地点を守るか、c4-c5 と突いて …Nh5-f4 と来れば迷惑なナイトを Bc1xf4 と取ることにしてクイーン翼での作戦を続けるかを選択しなければならない。

 最初の場合黒の典型的な …f7-f5 突きの応手に対して、白は b2-b4 と突きその後ナイトを Nf3-d2-c4 と転送することができる。しかし白のキング翼の弱体化により黒のキング翼での反撃はもっと迅速に進むことになる。黒のクイーン翼ビショップが当然h3の地点に来れば特にそうである(図22)。

 図22 

 黒は …h7-h5 突きのあと …Nf6-g4 によってf列での圧迫を増し、もう一つのナイトをd6の地点の守りに回すことができる(…Ne7-c8)。

 また、白は …f7-f5 突きによって生じたe6の地点の弱点に Nf3-g5(-e6) の捌きでつけ入ることもできる(図23)。

 図23 

 このような局面ではe6の地点への侵入は …Bc8xe6、d5xe6 の後ポーンを犠牲にすることがよくある。しかし白は敵陣の白枡全般の弱さに戦略的そしてとりわけ戦術的な代償を求めることができる。例えばd5の地点は明らかに占拠できるし、d列が素通しであることを利用して c4-c5 突きと Nc3-b5 でc7とd6の地点に強い圧力をかけることができる。

 白が g2-g3 突きでキングの囲いを弱めることを嫌い、c4-c5 突きでクイーン翼での作戦を続け …Nh5-f4 には Bc1xf4 で応じれば、次のような戦略の概要が生じる(図24)。

 図24 

 …e5xf4 と取り返したあと黒は不良ビショップを解放することができ、キング翼での通常のポーンによる攻撃(…h7-h6 から …g6-g5-g4)に加えて半素通しのe列で敵のむき出しのeポーンを攻撃することができる。Ne7 は e4-e5 突きの殺到を防ぐためにg6の地点に行く必要がある。白の方はc列とd6の地点にいつもの圧力をかけ(Nc3-b5)、新たに獲得したd4の基地も利用する。d4の地点の占拠は黒が …g6-g5 と突けばナイトがf5の地点に跳ねるのに利用できることもある。

(この章続く)

2011年02月27日 コメントは受け付けていません。

カテゴリ: 王印防御の完全理解

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