チェス布局の指し方[46]

チェス布局の指し方[46]

eポーン布局

第6章 シチリア防御(続き)

ドラゴン戦法

1.e4 c5 2.Nf3 d6

 この手は黒のクイーン翼ビショップの筋を開け、白からの早期の e5 突きを防いでいる。

3.d4 cxd4 4.Nxd4 Nf6

 この手は黒の布局戦略の重要な一部で、白から次の手を引き出すためにeポーンを当たりにして白のcポーンを突かせないようにしている。この手の代わりに黒が 4…g6 と突くと白は 5.c4 と突くことができていわゆるマローツィ縛り(1920年代の有名なハンガリー人マスターにちなむ)を構築することができる。この縛りの主眼は黒の狙いとする …d5 突きによる捌きを防ぐことである(願わくばずっと)。もし実際に黒の主眼の捌きの手が抑えられることになれば、黒はたちまち守勢に追い込まれて反撃がほとんどまたは全然できなくなってしまう。

5.Nc3 g6(図66)

 図66(白番)

 この手でドラゴン戦法に入る。そう名付けられたわけは黒のポーンの形がドラゴンの輪郭に似ていることによる。黒はキング翼ビショップをフィアンケットして対角斜筋(h8-a1)に圧力をかけ自分のキングに安全地帯を設ける。

6.Be3 Bg7

 6…Ng4? は 7.Bb5+ Bd7 8.Qxg4 で駒損になる。しかし本譜の手のあとは 7…Ng4 が狙いとなる。

7.Be2

 代わりに 7.f3 は 7…Nc6 8.Qd2 O-O となってチェスの最も難解な局面になる。白はこのあと 9.O-O-O または 9.Bc4 と指すことができる。この戦型のどちら側を持つにせよ大会や決定戦で勝負をかける前に専門書で研究しておくべきである。

7…Nc6 8.O-O O-O

 両者とも普通の展開の手を指している。

9.Nb3

 白はd4の駒をどけて黒が …d5 突きの可能性に基づいた手を作るのをより難しくさせた。この白の手は 10.f4 と突く準備でもある(すぐに 9.f4 と突くと強く 9…Qb6 と応じられる)。

 穏やかな手は 9.Qd2 だが黒はほとんど痛痒を感じない。自然な応手の 9…Ng4 10.Bxg4 Bxg4 でやや味気ない局面になる。

9…Be6

 ここはこのビショップにとって最も働きのある地点で、いつかこのビショップまたはクイーン翼ナイトでc4の地点を占拠する準備である。9…Bd7 は消極的すぎる。

10.f4

 白も強気で応じた。黒が何もしなければ白からの f5、g4 から g5 で激しいキング翼攻撃に直面することになる。

10…Qc8!

 この手には三つの目的がある。11.f5 を防ぐこと、11….Ng4 と捌いて交換をねらうこと、そしてルークのためにd8の地点を空けることである。

11.h3

 白は 11…Ng4 を防いだ。

11…a5!

 黒は快調に飛ばしている。次の狙いは 12…a4 13.Nd4 a3 で白の対角斜筋を弱めることである。

12.a4 Nb4

 黒の完全に満足できる局面になった。黒のクイーン、クイーン翼ナイト、クイーン翼ビショップおよびキング翼ビショップが全部クイーン翼を向いている。クイーン翼では白のわずかに優る中原支配を埋め合わせる十分な可能性がある。黒のとりあえずの狙いは 13…Nxe4! 14.Nxe4 Nxc2 である。

13.Bd4 Bc4(図67)

 図67(白番)

 この活発な局面では両者の勝ち目はほぼ互角である。

(この章続く)

2011年01月10日 コメントは受け付けていません。

カテゴリ: チェス布局の指し方

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