チェス布局の指し方[45]

チェス布局の指し方[45]

eポーン布局

第6章 シチリア防御(続き)

ラウゼル戦法

1.e4 c5 2.Nf3 d6 3.d4 cxd4 4.Nxd4 Nf6 5.Nc3 Nc6(図64)

 図64(白番)

 黒は最初に中原へさらに圧力をかけて、白がキング翼の展開を完了する前に形を決めるように誘った。

6.Bg5

 白はある段階で Bxf6 と取る可能性を作って黒のdポーンに間接的に圧力をかけた。例えば 6…g6 7.Bxf6 exf6 となればdポーンが孤立化し弱体化する。8.f4 のあと黒が通常の展開の方針で手を進めれば、次のようにすぐに中央で強い圧力にさらされる。8…Bg7 9.Ndb5 O-O 10.Qxd6 f5 11.O-O-O これで白が優勢になる。

 6.Be3 は単純に 6…Ng4 から 7…Nxe3 と応じられる。

6…Bd7

 これは最も現代的な手である。黒は …Rc8 から …Qa5 で素早くクイーン翼を展開する作戦である。その後は紹介のところで述べたように多くの場合 …Rxc3 と交換損の犠牲を決行する。別の一般的で本筋の手は 6…e6 である。以下は 7.Qd2 Be7 8.O-O-O O-O 9.f4 Nxd4 10.Qxd4 Qa5 11.Bc4 Bd7 12.e5 dxe5 13.fxe5 で、1992年リナレスでのイワンチュク対アーナンドの番勝負第7局ではここで戦力損を避ける 13…Bc6! が指された。

7.Qd2 Rc8 8.O-O-O

 黒のクイーン翼攻撃の襲来を考えればこれは「飛んで火に入る夏の虫」のように危険に思われるかもしれない。しかし他の手も研究されたが白はこれより良い手がないようである。

8…Nxd4

 黒はルークのためにc列を空けた。

9…Qxd4 Qa5

 黒の作戦の第一部が成し遂げられた。黒のクイーン翼は完全に展開し終わり、眼目の …Rxc3 切りの用意が整っている。ここで白は当たりになっているクイーン翼ビショップを何とかしなければならない。

10.f4

 これはビショップを守る最も自然な手段である。それと同時に中原の支配も強化している。

10…Rxc3!? 11.bxc3

 11.Bxf6? は 11…Rc7 12.Bxg7(12.Bh4 Qxa2 は白に望みがない)12…e5! で白の戦力損になる。同様に良くないのは 11.Qxc3 Qxc3 12.bxc3 Nxe4 で、黒は交換損の代わりに1ポーンを得ていろいろなうるさい狙いも持っている。

11…e5!

 これは黒キングがまだ最初の位置にいることを考えれば大胆な手である。しかし黒としては積極的に動かなければならない。

12.Qb4

 クイーンが他に逃げると 12…Ng4 とされ、13…h6 から 14…exf4 を狙われる。

12…Qxb4 13.cxb4 Nxe4(図65)

 図65(白番)

 黒は交換損の代わりに1ポーンを得ているが、他にも代償となる要素が数多くある。黒の狙いには 14…Nf2 で白のルークを両当たりにする手や、14…Nc3 のあと 15…Nxa2+ から 16…Nxb4 とする手がある。実戦では黒が完全に不満のない局面であることが実証されている。1969年リュブリャナでのウンツィカー対ゲオルギウ戦は次のように進んだ。

14.Bh4 g5! 15.fxg5

 15.Bxg5? は 15…Nf2 で黒に交換損を回復される。

15…Be7 16.Re1 d5 17.Bd3 h6 18.c4 hxg5 19.cxd5 Rxh4 20.Rxe4 Rxe4 21.Bxe4 f5

 このあとまもなく合意の引き分けになった。ソ連の故GMボレスラフスキーの研究によるとわずかではあるが白の改良手順は 18.Bxe4 dxe4 19.Rxe4 hxg5 20.Bg3 f6 21.c3 である。

(この章続く)

2011年01月03日 コメントは受け付けていません。

カテゴリ: チェス布局の指し方

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