チェス布局の指し方[43]

チェス布局の指し方[43]

eポーン布局

第6章 シチリア防御

1.e4 c5(図61)

 図61(白番)

 シチリア防御はチェスの他のどんな定跡よりも研究されてきた。おびただしい本や冊子がこの特定の戦法について出版されている。マスターの全ての試合のうち25%以上がシチリア防御である。なぜこのように人気があるのだろうか。

 黒は1手目で戦いの意図を宣言する。中原をc列から攻撃することによって黒は不均衡な状況を作り出す。そしてそれは激しい局面になり両陣営に多くの面白い可能性をもたらす。この章で議論する四つの戦法は一つの点で基本的に異なっている。それは黒のポーンの形である。

 黒の選ぶことのできるポーンの形の可能性は数多いがそれぞれ長所と短所がある。ポーンがe5にあると(例えばレーベンタール戦法)d5の地点が弱くて白がいつか駒でそこを占拠できる。そして黒がd5の地点をほとんどまたはまったく支配できなければもちろん主眼のdポーン突きを行なうこともできない。黒のポーンがe5にある利点は白のキング翼ナイトから自然な居場所のd4を奪うことにある。そして自分はあとで …Nd4 と進出する可能性を作り出している。

 カン/タイマノフの陣形では黒のポーンはa6(白のナイトがb5に侵入するのを防ぎ自分の …b5 突きを用意する)とe6(キング翼ビショップと戦法によってはキング翼ナイトの展開に役立ち、後の …d5 突きを支援する)とにある。黒のdポーンは白の狙いの e5 突きを防ぐためにd6に進むこともある。このようなポーンの形は黒の黒枡を少し弱めることになりがちである。

 黒がキング翼ビショップをフィアンケットすると(例えばドラゴン戦法)キング翼にいくらか弱点を抱え込むが、ポーンの形は全然弱くない。

 シチリア防御での黒には展開が完了したあと二つの主要な目標がある。これらのうち最も重要なのは白のeポーンに対する攻撃で、通常はf6のナイトと時にはb7のビショップによっても行なわれる。この攻撃は時には捌きの …d5 突きによって完了することがある。黒がこれを無事にやり遂げることができれば必ず満足のいく局面になる。

 黒のもう一つの主題はc列での攻撃で、通常はクイーン翼ルークをc8に展開することによって行なわれる。時にはこのルークは白のクイーン翼ナイト(このナイトはeポーンを守っている)と刺し違えて、白のクイーン翼ポーンを乱しeポーンの土台を崩す。

(この章続く)

2010年12月20日 コメントは受け付けていません。

カテゴリ: チェス布局の指し方

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