チェス布局の指し方[42]

チェス布局の指し方[42]

eポーン布局

第5章 ルイロペス(スペイン布局)(続き)

シュリーマン防御

1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bb5 f5?!

 ルイロペスのシュリーマン防御における戦略はいくつかの点でキング翼ギャンビットの動機に似たところがある。その動機とはポーンを捨てて駒を積極果敢に展開し素通しのf列で敵キングに対し直接攻撃をかける可能性を得ることである。しかしここではポーンを与えようとしているのは白ではなく黒で、しかも1手遅れているのである。

4.Nc3(図59)

 図59(黒番)

 白にとって最も賢明な方針はすばやく展開することである。4.exf5 と取るのは 4…e4 と突かれて紛れる。例えば 5.Qe2 Qe7 6.Bxc6 bxc6 7.Nd4 Nf6 8.O-O c5 となると強力な中原のポーンが黒の代償となる。うまくいかない別の方針は 4.Bxc6?! dxc6 5.Nxe5 Qd4 6.Qh5+? g6 7.Nxg6 hxg6 8.Qxg6+ Kd8 で、白の早まった攻撃が終わり黒が優勢になる。しかし単純な 4.d3 は完全に成立し、主手順の大乱戦を避けることができる。

4…fxe4

 黒はf列を素通しにした。さもなければ 4…Nf6 5.exf5 Bc5 で白のf2の地点に狙いをつけたいところだがあいにく白には両当たり狙いの 6.Nxe5 がある。

5.Nxe4 d5

 この手は白のクイーン翼ナイトを当たりにしてその浮いている状態に付け込もうとしている。

6.Nxe5!

 この手は黒のナイトの釘付けにつけ込んでいる。6.Ng3 は弱気の手で 6…Bg4 7.h3 Bxf3 8.Qxf3 Nf6 となって、黒の中原の強力なポーンが白の双ビショップに対する代償となっているので白は優勢にならない。この手順中 6…Bd6? なら 7.Nxe5 Bxe5 8.Qh5+ で白が駒を取り返してポーン得になる[訳注 8…Kf8 9.Bxc6 Bxg3 で黒が優勢なので先に 8.Bxc6+ と取るのが正しい手順のようです]。

6…dxe4

 6…Qe7 は単純に 7.d4 と応じられる。

7.Nxc6 bxc6

 黒はこの手よりも良い手が二つあるがどちらも非常に難解になる。この局面をどちらを持っても指したいならば定跡手順を覚えておかなければならない。さもないと簡単に負かされてしまう。本譜の代わりの手は 7…Qd5 8.c4 Qd6 9.Nxa7+ Bd7 と 7…Qg5 8.Qe2 Nf6 9.f4 Qh4+ 10.g3 Qh3 で、悪夢のような乱戦になる。

9.Bxc6+ Bd7 10.Qh5+

 この手は 9.Bxa8 よりも正確である。これで黒キングが中央に引きずり出されて立ち往生する。

9…Ke7

 9…g6 なら 10.Qe5+ で白が少なくとも交換得になる。

10.Qe5+ Be6(図60)

 図60(白番)

 10…Kf7 は 11.Bd5+ で黒がたちまち負けになる。

 白は勝勢である。このあと 11.Bxa8 Qxa8 12.Qxc7+ で2個の駒の代わりにルークと3ポーンを得、黒キングは野ざらしになっている。

(この章続く)

2010年12月13日 コメントは受け付けていません。

カテゴリ: チェス布局の指し方

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