チェス布局の指し方[38]

チェス布局の指し方[38]

eポーン布局

第5章 ルイロペス(スペイン布局)

1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bb5(図52)

 図52(黒番)

 この手は白の3手目の中で最強の手である。世界チャンピオンのガリー・カスパロフ、元世界チャンピオンのボビー・フィッシャーそれにナイジェル・ショートが得意にしていた。白はキング翼を迅速に展開し、2手目で始めた黒のeポーンに対する攻撃を続けた。今度はその守り駒を突き崩そうとしている。この基本的な構想は論理的で簡明でありかつ意外にも対処が難しい。通常白は少なくとも中盤まで続くわずかな主導権を得る。

 ルイロペスは最古の定跡の一つである。ルイ・ロペス自身はスペインの聖職者で、1561年に「チェスの本」という定跡書を書いている。この本は布局定跡を研究する最初の科学的な試みと通常みなされている。それ以来ほとんどすべての著名な選手がこの定跡を極めることに手を染めてきた。

 ルイロペスには多種多様の戦法があり、それぞれ特色のある内容を持っている。白が中原を閉鎖してキング翼攻撃のために駒を捌き穏やかに大局観で指し、黒がクイーン翼で活動するものもある。激しくて難解な戦法もある。

 布局の初期の戦いは通常は両者のeポーンの強さと弱さをめぐって行なわれる。白は早くから黒のeポーンに圧力をかけ d4 突きを目指す。黒は白が d4 と突いてきた時に対処できるように駒の展開に注意を注ぐ。ルイロペスの題材のいくつかは初心者が理解するにはやや難しいかもしれない。しかし基本的な特色を理解すればこの最も信頼できる布局をさらに学ぶことが容易になる。

 この章ではルイロペス木の4本の枝を見ることにする。閉鎖戦法は黒がe5のeポーンを中原の拠点として維持しようと努める。開放戦法は黒が5手目で中原を開放する(白がそうする機会を与えてくれる時)。交換戦法は白が双ビショップを放棄するのと引き換えにポーンの形で優位に立つ。シュリーマン防御は黒の華々しい逆襲ギャンビットである。

(この章続く)

2010年11月15日 コメントは受け付けていません。

カテゴリ: チェス布局の指し方

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