チェス布局の指し方[35]

チェス布局の指し方[35]

eポーン布局

第4章 イタリア試合(続き)

エバンズ・ギャンビット

1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bc4 Bc5 4.b4!?(図46)

 図46(黒番)

 純正ジュオコ・ピアノのところで見たように 4.d3 や 4.c3 の後で白が大きく優位を勝ち取れそうにはない。本譜の手はこの駒組に息吹を吹き込もうとする重要な試みである。白はポーンを犠牲にして本当に強力で圧倒的なポーン中原を築くのに必要な手数を得ることを期待している。そしてクイーン翼ビショップをb2かa3に展開させる可能性も作っている。

4…Bxb4

 「ギャンビットを打ち破るには受諾することである」-シュタイニッツ。黒はこのポーンを取るべきである。さもないと明らかな代償もなしに白に広さと手得を与えることになる。

5.c3

 ギャンビットの要点は黒のビショップが当たりになっているので白がこの手を先手で指すことができることにある。白はポーンをd4とe4に並べて中原を支配することを期待している。

5…Ba5

  6.d4 なら 6…exd4 で白のcポーンが釘付けになるのでここがビショップの最も理にかなった引き場所のようである。しかし白がこの釘付けを恐れる理由はない。

6.d4 exd4

 もっと堅実な受けは 6…d6 7.Qb3 Qd7 8.dxe5 Bb6 9.O-O Na5 である。しかし実戦では黒はこの2個目のポーンを取ることが多い。

7.O-O!

 白は喜んで2個目のポーンを取らせる。

7…d6

 7…dxc3?! で3個目のポーンを頂くのは少し欲張りである。本譜の手は受けに役立つ手で、弱いf8-a3の斜筋を止め、クイーン翼ビショップの筋を開け、黒のe5の地点に利かせて白のポーン中原を抑えるのを助けている。

8.cxd4

 白はd4とe4にポーンを進めるという第1の目標を達成した。そして d5 突きでナイトをどかせて Qa4+ でビショップを取る手を狙っている。

8…Bb6

 黒は白の狙いに備えた。これでエバンズ・ギャンビットのいわゆる「基本局面」になった。この局面は150年以上に渡って戦われ研究されてきた。

9.Nc3

 白はいろいろなやり方で攻撃を続けることができるが、この単純な展開の手が最善手とみなされている。

9…Na5

 この手は白のキング翼ビショップと交換するかそれを引き下がらせて黒の弱点のf7に利かせないようにする意図である。この手は黒の展開を無視しているように見えるが、実際はこの局面で黒が普通に展開することは非常に難しくなっている。例えば 9…Nf6 ならポーンを犠牲に 10.e5! dxe5 11.Ba3! で斜筋を通して白の攻撃が非常に強くなる(黒のキングが中央列でむき出しになっているので白の勝勢かもしれない)。

 黒は実際には白のキング翼ビショップをただ取りにすることを狙ってはいない。なぜなら …Nxc4 のあと白はいつでも Qa4+ で駒を取り返すことができるからである。

10.Bg5

 展開して黒のクイーンを当たりにした。

10…f6

 黒は白のキング翼ビショップと交換するためにキング翼の弱体化を受け入れた。

11.Bf4 Nxc4 12.Qa4+ Qd7

 黒が 12…Bd7 でなくこの手を指したのはクイーンでg8-a2の弱い斜筋をカバーできるようにしたいからである。

13.Qxc4 Qf7

 働きのよい白のクイーンに対抗した。

14.Nd5(図47)

 図47(黒番)

 もちろん白はクイーン交換に応じるべきでない。この局面では白が優勢である。白の強力な中原と動きの非常に活発な駒は攻撃の可能性を生み出し犠牲にしたポーンの代償を十分に取っている。

(この章続く)

2010年10月25日 コメントは受け付けていません。

カテゴリ: チェス布局の指し方

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