チェス布局の指し方[30]

チェス布局の指し方[30]

eポーン布局

第3章 キング翼ギャンビット(続き)

現代防御

1.e4 e5 2.f4 exf4 3.Nf3 d5(図37)

 図37(白番)

 黒はすぐにポーンを返して展開のために筋を開けようとしている。これでクイーン翼ビショップが自由に動けるようになりクイーンの利きも広がった。このシステムはスパスキーやボトビニクをはじめ世界の最強の選手たちの多くがかつて得意にしていた防御だった。

4.exd5

 4.e5? は 4…g5 と強手で応じられるので白はこのポーンを取らざるを得ない。

4…Nf6

 この手は展開しながら白のdポーンの前の方を当たりにしている。4…Qxd5 は早まったクイーン出で、例えば 5.Nc3 Qe6+ 6.Kf2 で 7.Bb5+ から 8.Re1 を狙われる。

5.Bb5+

 このチェックは黒の …c6 を誘って白の当たっているdポーンを交換しようという意図である。もちろん黒は駒をd7に動かしてチェックから逃れることはできるが、あまり活発な試合にはならなくなる。

5…c6 6.dxc6 Nxc6

 この手はスパスキーが同時指導対局で何回か相手に指されてから彼自身が指すようになった。c6の地点はしょせん黒のクイーン翼ナイトにとって自然な場所であり、黒が Bxc6 の交換を恐れる理由はない。

7.d4

 7.O-O? は 7…Qb6+ でビショップを取られるので白はすぐにキャッスリングすることはできない。そこで白はg1-a7の斜筋をふさぎ、同時に黒のfポーンの前の方を当たりにした。

7…Bd6

 黒は当たりのポーンを守った。

8.Qe2+

 これは自然な 8.O-O に代わる思惑のある手である。白はe列で生じる釘付けをうまく利用することができるだろうか。

8…Be6 9.Ng5

 黒が困っているのは確実なように見える。ここで白の狙いはポーンを得することである。注意しなければならないのは 9.c4? O-O 10.d5 と指すと黒は白のクイーンとキングの位置にうまくつけ込んで 10…Bg4 と指してくることである(11.dxc6? Re8)。

9…O-O

 黒はポーンを犠牲にして展開の迅速化と反撃のための重要な筋(e列)の開通を優先した。

10.Nxe6 fxe6 11.Bxc6 bxc6 12.Qxe6+ Kh8

 黒は次に 12…Re8 でクイーンを取る手を狙っている。黒の小駒はよく働いているのに対して白のクイーン翼はまったく展開できていない。このような開けた局面では展開の優位とそれに伴う攻撃の可能性は捨てたポーンを十分に補ってくれる。

13.O-O Qc7(図38)

 図38(白番)

 1970年ルガノでのベント対メディナ戦は次のように進んだ。

14.Qh3 Qb6 15.Qd3 Rae8 16.Nc3 Qb8

 この手の狙いは 17…f3 18.Qxf3(18.g3? Bxg3! 19.hxg3 Qxg3+ 20.Kh1 Qg2#)18…Bxh2+ 19.Kh1 Nh5 で、黒の勝勢になる。

17.Qf3 c5 18.d5 g5! 19.h3 h5 20.Qd3 g4

 黒の攻撃は非常に厳しい。

(この章続く)

2010年09月20日 コメントは受け付けていません。

カテゴリ: チェス布局の指し方

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