チェス布局の指し方[28]

チェス布局の指し方[28]

eポーン布局

第3章 キング翼ギャンビット

1.e4 e5 2.f4

 19世紀においてキング翼ギャンビットはどの棋力の試合でも断トツの人気を誇る布局だった。白は2手目でポーンをただ取りに差し出すが、その意図は展開を速め黒キングに速攻をかけるために列を空けることである。絶頂期には白がキング翼ギャンビットの布局から猛攻を仕掛けて鮮やかな勝利をあげることがよくあった。しかし布局定跡が進歩するにつれて黒が賢明なやり方で戦力を展開することによって完全に満足のいく局面を得られることが発見された。

 白は2手目でfポーンを与えてf列を利用して黒のf7のもろい地点を攻撃する作戦である。第1章でf7の地点がc4のビショップとe5またはg5のナイトからしばしばどのように圧力を加えられるかを見てきた。ここでは白はキング翼キャッスリングによって攻撃の三つ目の戦線を開くことを期待している。hルークはf1に回りそこからf列に影響力を及ぼすことができる。

 ギャンビットの別の側面はもし黒がポーンを受諾(2…exf4)すれば中原の唯一の兵員が横にそれ、白が後で d4 と突いて中原の支配を増強し易くなるということである。それでも黒の最善の防御システムはギャンビットを受諾し、そのポーンを返して展開を容易にすることである。

 キング翼ギャンビットから生じる動的な局面のそもそもの特性によりこの布局は通常生じる切ったはったの戦術が好きな初心者とクラブ選手に最も人気がある。対照的にギャンビットが非常にしばしばかつ長い間指されてきたのでマスターのレベルでは研究により怖さがほとんど失われている。

(この章続く)

2010年09月06日 コメントは受け付けていません。

カテゴリ: チェス布局の指し方

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