チェス布局の指し方[26]

チェス布局の指し方[26]

第2章 ポーンの重要性(続き)

2.4 パスポーンの注意点

 パスポーンが本領を発揮するのは通常は収局に入ってからなので、その研究は本当は布局定跡の本でなく収局の手引書の方がふさわしい。しかし布局、中盤、収局という標準的な分割は恣意的な面もあり、パスポーンが非常に早い段階でできることもあり得る。パスポーンを作ることは普通は良い考えである。前に出てきたゲルファー対キーン戦は保護パスポーンがどのように強力になり得るかの好例である。別の参考になる例は1972年スパスキー対フィッシャーの世界選手権戦第6局におけるパスeポーンである。

 もちろんパスポーンが弱体化することもあり得る。特に孤立している時はそうである。だからパスポーンができたらそれを必ず支援できることを確認しなければならない。中盤ではパスポーンを性急に突き進めず、収局にたどり着くことができるようになるまで大切に扱うことが良い考え方となることが多い。ポーンが自陣から遠く離れると敵駒に飲み込まれてしまうかもしれない。

 図34(黒番)

 図34では黒のaポーンが脅威のように思われるかもしれない。しかし実際はすぐに取られることになる。というのは Rfc1、Rc2、Rcxa2 という狙いに対して黒が受けがないからである。自分の子を見捨てるのは罰当たりである。

(この章終わり)

2010年08月23日 コメントは受け付けていません。

カテゴリ: チェス布局の指し方

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