チェス世界選手権争奪史(237)

チェス世界選手権争奪史(237)

第9章 スパスキーと奇才フィッシャー(続き)

 第3局でタイマノフは明らかに第2局の影響を引きずっていてずるずると負けを重ねた。

キング翼インディアン防御
白 タイマノフ
黒 フィッシャー

1.d4 Nf6 2.c4 g6 3.Nc3 Bg7 4.e4 d6 5.Nf3

 これはタイマノフの長年にわたる愛用の手である。彼はキング翼インディアン定跡に白でも黒でも大きく貢献してきた。

5…O-O 6.Be2 e5 7.O-O Nc6 8.d5 Ne7

9.Bd2

 これはほとんど知られていない手である。明らかにタイマノフはこの番勝負のために研究してきた。9.Ne1 と比較的最近の 9.Nd2 は数多く指されている。

9…Ne8 10.Rc1 f5

11.Qb3

 第1局でタイマノフは 11.exf5 gxf5 12.Ng5? と指した。しかし 12…h6 13.Ne6 Bxe6 14.dxe6 Qc8 15.Qb3 c6 16.Bh5 Qxe6

となって代償がなく単なるポーン損だった。

11…b6 12.exf5 gxf5 13.Ng5

13…Nf6

 13…h6 は 14.Ne6 Bxe6 15.dxe6 Qc8 16.c5 bxc5 17.Bh5 Kh8 18.Bf7

となって白がうまい。

14.f4 h6

15.fxe5

 この手よりも 15.Ne6 Bxe6 16.dxe6 c6 17.Qa3!

の方が良く白の圧力が強かった。

15…dxe5 16.c5 Nfxd5 17.Nxd5 Nxd5 18.cxb6 axb6 19.Rc6

 この手は …c6 を妨げて 20.Bc4 を狙っている。

19…Kh8 20.Nf3?

 ここは 20.Ne6 または 20.Qh3(フィッシャーの推奨)の方がずっと良かった。実戦の手のあと主導権は黒に移った。

20…Bb7 21.Rg6 Nf4!

 これで黒が勝勢である。

22.Bxf4 exf4 23.Rd1 Qe7 24.Re6 Qc5+ 25.Kf1 Rfd8 26.Rxd8+ Rxd8

27.Qa4 Qc1+ 28.Kf2 Bf8 29.b4 Be4 30.Re8 Bc6 31.Qxc6 Qxc6

32.Rxd8 Qf6 33.Rc8 Qe7 34.Kf1 Kh7 35.Nd4 Bg7 36.Nb5 Be5

37.a3 Qd7 38.Ra8 f3 39.gxf3 Bxh2 40.Kg2 Qg7+ 41.Kxh2 Qe5+ 白投了

(この章続く)

2010年06月08日 コメントは受け付けていません。

カテゴリ: チェス世界選手権争奪史

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