チェス布局の指し方[15]

チェス布局の指し方[15]

第2章 ポーンの重要性

2.1 ポーンの弱点(続き)

 図23(白番)

 図23に示されているのは攻撃における弱点の別の様相である。白にはナイトに対するビショップだけでなく威容を誇るポーン中原があり、一見したところ白が好調のようである。しかしよく調べてみると勝つ可能性は黒にだけあることが分かってくる。白の誇りの中原はそのままでいる限り申し分ない。しかしそれが前進しようとすると粉みじんになる。読者に覚えておいて欲しいが、ポーン中原は決してそれ自身を目的として追求すべきものではなく攻撃の突破口の手段として追求すべきものである。

 図の局面で通常のe5突きは白に二組の二重孤立ポーンが残るので陣形上の自殺行為である。ポーンをc5に突いてクイーン翼での攻撃を図るのはそのポーン突きを支援するポーンがb列にないので同じく失敗する運命である。黒がキング翼で攻撃の準備を始めている間に白にできることは重厚だが動かせないポーンの背後でじっとして何かが起こるのを期待するのが関の山である。実戦は次のように進んだ。1.Rb5 Qh6 2.Rbg5 f6 3.R5g4 g6 4.Bd3 Re7 5.c4 Ng7

6.c3(6.Qxf4 Qxf4+ 7.Rxf4 Ne6 から 8…Nxd4 も同じく黒が良い)6…Ne6 7.Bf1 f5 8.R4g2 Rf6 9.Bd3 g5

(…Qxh3+ の狙い)10.Rh1 g4 11.Be2 Ng5 12.fxg4 f3 13.Rg3 fxe2

これで白が投了した(ヤノフスキー対ラスカー、世界選手権戦、1909年)。

(この章続く)

2010年06月07日 コメントは受け付けていません。

カテゴリ: チェス布局の指し方

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