布局の探究(291)

布局の探究(291)

「Chess Life」2002年5月号(4/5)

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布局の探究

GMエドマー・メドニス

ベンコー・ギャンビット主手順(続き)

1.d4 Nf6 2.c4 c5 3.d5 b5 4.cxb5 a6 5.bxa6 Bxa6 6.Nc3 g6 7.g3 Bg7 8.Bg2 d6 9.Nf3 Nbd7 10.Rb1!?(再掲)

1b)10…O-O

マラハトコ対ラフマングロフ(アルシタ、2001年)

 この手の方が黒のルークを効率的に展開できるので良い手順のはずである。

11.O-O Qa5 12.Bd2 Rfb8!

 12…Nb6 は 13.b3! Qa3 14.Ne1 Bb7 15.Nc2 Qa6 16.e4(クルッパ対クリボシェイ、キエフ、2001年)で黒のクイーン翼の駒がごちゃごちゃしているので本譜の手の方が優っている。

13.Qc2

13…Qd8!

 クイーンがa列とb列でほかの駒の邪魔にならないように引っ込んだのはまったく当を得ている。13…Nb6?1 は劣っていて、14.b3 Qa3 15.Bc1 Qa5 16.Rd1 Ne8 17.Bb2 Nc7 18.e4 Bc8 19.h3 Bd7 20.Qc1! Qa6 21.Ra1 Qc8 22.Kh2 で白駒の配置のために黒が何かをするのが難しかった(クルッパ対マラハトコ、キエフ、2001年)。

14.Rfd1

 新手。しかし先受けの 14.b3 で急所のc4の地点を支配する方が的確だったようだ。

14…Nb6 15.e4

 これよりほかにdポーンを守る適当な手段がない。しかしこれでクイーン翼の黒駒が非常に活動的になった。

15…Nc4 16.Bc1 Qa5 17.b3 Ng4! 18.Na4 Bb5! 19.Bf1

 このビショップは黒の白枡ビショップと相殺にするために必要である。しかし白のキング翼が弱体化した。

19…Nce5! 20.Nxe5 Nxe5 21.Bxb5 Qxb5 22.Bb2 Nf3+ 23.Kg2 Bxb2 24.Kxf3

 黒のビショップに中央の斜筋を支配させるのは黒の利益だが、黒のナイトをd4の地点に来させない方が重要である。

24…Bf6 25.Kg2 Qa6!

 黒にはポーンの代償が完全にあり、いい勝負になっている。このあとは 26…Rb4 でクイーン翼での圧力が白の戦力得にものを言わせる望みを打ち砕くことになる。本局はベンコー・ギャンビットの威力の完璧な実戦例となった。

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2017年12月15日 コメントは受け付けていません。

カテゴリ: 布局の探求3

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