布局の探究(290)

布局の探究(290)

「Chess Life」2002年5月号(3/5)

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布局の探究

GMエドマー・メドニス

ベンコー・ギャンビット主手順(続き)

1.d4 Nf6 2.c4 c5 3.d5 b5 4.cxb5 a6 5.bxa6 Bxa6 6.Nc3 g6 7.g3 Bg7 8.Bg2 d6 9.Nf3 Nbd7 10.Rb1!?(再掲)

1a)10…Nb6

エピシン対コピロフ(ベールター、2001年)

11.b3 O-O 12.Bb2 Ra7 13.O-O

 白は直前の3手で黒の「フィアンケット」から毒牙を抜き、この手で展開を完了した。黒はポーンの代償を明らかにしなければならない。

13…Qa8 14.Nh4 Rb8 15.Re1!

 これは重要な新手だった。白は都合の良い時に e2-e4 と突く用意ができた。それまで指されていた 15.Ba1?! Nbd7! 16.Qc2 Rab7 17.Nf3 Rb4 はツェバロ対セルメク戦(セント・ビンセント、2001年)では黒の圧力が効果的だった。

15…Bc8 16.h3

 この手でも良いが、GMウラジーミル・エピシンによればすぐに 16.e4! と突く方が強力だった。

16…g5?!

 これはベンコー・ギャンビットでは異筋の手である。ベンコー・ギャンビットの重要な長所の一つは欠陥のないこじんまりしたポーン陣形で、もっともな理由がなければ損なうべきでない。エピシンは 16…Ne8! 17.Qd2 Bxc3 18.Qxc3 f6 19.e4 Rxa2 20.Ra1 Nd7 21.f4 を指摘し、陣地の広さと双ビショップで白が少し優勢としている。

17.Nf3 Nbxd5 18.Nxg5 Nxc3 19.Bxc3 Bb7 20.Bxb7 Rbxb7

 a2の地点に圧力をかけるにはこう取り返すしかない。しかし今や黒のキング翼が根本的に弱体化したのは明白である。

21.Qd3! h6 22.Bxf6 hxg5 23.Bxg5 Rxa2 24.h4

 黒の問題は明らかである。まだギャンビットしたポーン損のままで、キング翼は隙だらけである。エピシンは力強くていねいに締めくくった。

24…Qc8 25.Qf3 Raa7 26.Rbd1!

 このルークはd3に上がれば働きが増し、bポーン、中央、それにキング翼を見張ることになる。より詳しい解説は『チェス新報』第81巻第46局のIMコピロフの解説を読んで欲しい。終局までの手順は次のとおりである。

26…Rb4 27.Rd3 Qb7 28.e4! Qd7 29.e5! Qe6 30.Bd2 Rd4 31.Rxd4 cxd4 32.exd6 Qxd6 33.h5 Ra2 34.Qd3 e5 35.b4 Qc6 36.h6! e4 37.Qxe4 Qxe4 38.Rxe4 Rxd2 39.Rg4 d3 40.Kg2 Rd1 41.Rxg7+ Kf8 42.Rg5 d2 43.h7 Rg1+ 44.Kxg1 d1=Q+ 45.Kg2 黒投了

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2017年12月13日 コメントは受け付けていません。

カテゴリ: 布局の探求3

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