布局の探究(289)

布局の探究(289)

「Chess Life」2002年5月号(2/5)

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布局の探究

GMエドマー・メドニス

ベンコー・ギャンビット主手順(続き)

1.d4 Nf6 2.c4 c5 3.d5 b5 4.cxb5 a6(再掲)

1)白は欲張りだが注意深い

5.bxa6

 白はこの手でポーンが欲しいことを明かにした。重要な疑問は「黒は代わりに何を得るのか」ということである。その答えは簡単で、「a列とb列で白のクイーン翼に圧力をかけることができるようになる」である。しかし予想される指し方はおのずから分かるというものではなく、黒は大量の知識が必要である。

5…Bxa6

 この当たり前の取り返しが歴史的に見ると最もよく指されてきた。しかし最近 5…g6 が同等の地歩を占めるようになってきた。それは取り返しを急ぐ必要はないのだから「フィアンケット」を始める方が黒に取って融通性があるということである。

6.Nc3 g6 7.g3

 この本手の「フィアンケット」で白は黒に即席の反撃の可能性を与えることなくキング翼の展開を完了する準備に取り掛かる。7.e4 Bxf1 8.Kxf1 の方がかなり野心的で、諸刃の剣の状況になる。白は中央が強化されるが、黒は白枡ビショップの交換でa列での展開が促進される。「布局大成A」はこれを最も重要な戦型と考えていてA59を付与している。

7…Bg7 8.Bg2 d6

 黒の直前の3手はどの順序で指しても良い。

9.Nf3

 9.Nh3 も理にかなった手で、「フィアンケット」されたビショップの白枡対角斜筋を通したままナイトがf4に跳べるようにする。しかし白は安全で本筋の展開をするつもりなので、最善はこのナイトを通常の中央の地点に置くことであることが分かっている。

9…Nbd7 10.Rb1!?

 本譜の手は比較的新しい着想である。黒は直前の手で …Nb6-c4 でb列に圧力をかける用意をしたことを告げた。そこで白はb2の地点を過剰に守った。ほとんどの場合この手と 10.O-O は同じことになる。

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2017年12月08日 コメントは受け付けていません。

カテゴリ: 布局の探求3

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