世界のチェス雑誌から(71)

世界のチェス雑誌から(71)

Olympiad United! Dresden 2008(7/8)

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ヨーロッパのチェス侍(続き)
セルビア人の日本コーチ体験

 佐野富(レイティング2111、9戦4.5点、実効レイティング2307)は非常にチームに貢献してくれて、堅実で論理的なチェスを指した。それは第3回戦のルーマニアとの試合によく表れている。

□ レベンテ・バイダ (2582)
■ 佐野富 (2111)
イギリス布局 [A05]
(解説 ミハイロ・ストヤノビッチ)

1.Nf3 Nf6 2.g3 d5 3.Bg2 c6 4.O-O Bf5 5.d3 h6

6.b3 e6 7.Bb2 Be7 8.Nbd2 O-O 9.Re1 Bh7 10.e4 Nbd7

11.Qe2 a5 12.a4 Nc5 13.Red1 Rc8 14.Ne1 Qc7 15.e5 Nfd7

16.Nf1 Rb8 17.d4 Na6 18.c4 Nb4 19.Ne3 Rfe8 20.f4 Nb6

21.Bc3 Ra8 22.g4 f6 23.Bxb4 axb4 24.a5 Nd7 25.cxd5 cxd5 26.f5

 双方とも時間不足の中で白は危険だが黒にとって嫌な手を指した。局面は黒が危なそうに見えるが実際は黒の方が良くて佐野選手はそれを素晴らしい指し回しで実証する。チェスエンジンもここからの10手を全く同じ手順で指し進めている。

26…fxe5!

 これは中原の争点を解消する最善の方法である。

27.fxe6 Nf6!

28.Rac1?!

 客観的に見て 28.Nxd5 Nxd5 29.Bxd5 exd4 と指す方が形勢は少し悪くても白にとって良かった。この後 30.Rxd4 には 30…Bc5 がある。

28…Qd6!

 28…Qxa5 は 29.dxe5 で黒は時間不足もかかえているので良くない。

29.g5?!

 この判断も疑問である。ポーンを犠牲にしても黒陣は揺るがない。

29…hxg5 30.dxe5 Qxe5 31.Nf3 Qf4!

32.Rd4

 32.Nxd5 は 32…Nxd5 33.Rxd5 Qxc1+ でだめである。

32…Be4!

 クイーンを敵陣に置いておくのが良い。

33.Nd2 Rxa5 34.Nxe4 dxe4 35.Rdc4 Bd6 36.Nf1 b6!

 この手はc列を守る準備である。

37.Kh1 Bc5

 黒は初めて不正確な手を指した。37…Rxe6 が強い手だった。

38.Bxe4

 白は 38.Ng3 を見逃した。その意図はナイトでe4のポーンを取って異色ビショップの戦いに持ち込もうということである。

38…Nxe4 39.Qxe4 Qf6!

 白キングが弱いので黒はまた勝勢になった。

40.Re1 Qf2!

 黒は非常に正確な手で規定手数に達した。

41.Rxc5

 41.Ng3 は 41…Ra2 で終わりである。

41…bxc5 42.e7 Ra7 43.Qc4+ Qf7 44.Qxc5 Raxe7 0-1

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(この本続く)

2010年05月05日 コメントは受け付けていません。

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