2015年02月の記事一覧

后印防御の指し方(029)

第2章 王翼ビショップのフィアンケット 本手順 アンディー・ソルティス(続き)

 5…Bb4+ の局面(再掲) 5…Bb4+ の局面

 このチェックは50年以上前にホセ・カパブランカによって初めて広められた。キューバ人の世界チャンピオンは危険を予期する名人で、このように駒を早く交換することに努めることがよくあった。白は自分のキングとこのビショップの間に何かをさしはさまなければならず、さもないと Kf1 とよろめかなければならない。しかし白には多くの選択肢があり、6.Nc3、6.Nbd2 それに 6.Bd2 と指せる。

 まず 6.Nc3 は局面をb4のビショップとc3のナイトが特徴の一種の二印防御の局面に変える。黒はすぐに 6…Bc3+ と取って不均衡な局面に変え白にポーンの弱点を生じさせることができる。そして 7.bxc3 O-O 8.O-O のあと白は自分のビショップが黒のナイトより劣る閉鎖的な中盤戦になることを心配しなければならない。しかし黒は白に d4-d5! と突く狙いがあるために局面を閉鎖的に保てないかもしれない。この手は黒駒を麻痺させることがよくある。例えば 8…d6 は 9.d5 exd5 10.Nh4! から cxd5 と応じられ白が好調になる。もし黒が(9…exd5 の代わりに)9…e5 で閉鎖的な局面にこだわれば、白は 10.Nh4 のあと e2-e4 から f2-f4! で相手よりもはるかに手段が多くなる。

 もし白が二印防御に特徴的な状況(Bb4/Nc3)にさせたかったのならば、3手目にもう 3.Nf3 の代わりに 3.Nc3 と指すことによりそうなるようにしそうなものである。白はd5とe4をナイトで支配したいのだが、…Bb4 の毒がなくなってから初めてそうしたかったのである。これがなぜ 6.Nbd2 がチェックに対処する手段として不興を買うのかの説明になる。白ナイトは単にd2で場違いになっているだけである。6.Nbd2 のあと黒はいつもは強力な d4-d5 突きを恐れずに 6…c5! と指すことができる。あるいは 6…O-O から 7…d5 と指すことができ、もし白がいつか a2-a3 と突いてくれば黒ビショップはe7に退却してまんまと白に劣った Nbd2 を指させた使命を完了する。

 消去法によりビショップによるチェックに応じる最善の手段として残ったのは 6.Bd2 である。黒がd2で取ったあと白はクイーンで取り返して次に Nc3! と指せるようにする。また、黒はビショップを引くことにより手損をしたくなければ、いつかはd2で取らなければならない。そうしないと白がその可能性をなくしてしまう。例えば 6.Bd2 Qe7 7.O-O O-O? 8.Bf4! で、黒は通常は自分の助けとなる交換による単純化が何もできず、a2-a3 のあと手損を強いられることになる。

 だから 6…Bxd2+ 7.Qxd2 O-O の局面が想定される。これなら白が安心して后翼ナイトをc3に出してe4の支配をめぐる中盤戦の戦いを始めることができる。例えば 8.Nc3 d6 9.Qc2! となればしてやったりである。

 9.Qc2! の局面

(この章続く)

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后印防御の指し方(028)

第2章 王翼ビショップのフィアンケット 本手順 アンディー・ソルティス(続き)

(再掲) 5…d5 の局面

 この手は后印防御を最初に広めたアーロン・ニムゾビッチによって指されていて、アレクサンドル・アリョーヒンによって単なる悪手と非難された。しかし 5…d5 は退治されたことはない。退治しようとするなら手始めに 6.Ne5 で対角斜筋で釘付けにするのが最善である。以前は釘づけにされていたのはf3の白ナイトだった。すなわち …Bxg2 と取られたくないのでこのナイトは動けなかった。しかし 6.Ne5 で釘付けの立場は逆転した。今度は 6…dxc4?? と取ると黒がビショップを取られる。

 ニムゾビッチは 6.Ne5 への応手に 6…c6 のような手堅い受けの手を推奨していた。しかしそれはいくらか消極的である。黒はいつかは …c7-c5 と突きたいので、6手目をもっと有効な手に費やすべきである。例えば 6…Nbd7 は新たにe5にやって来たナイトに狙いを定めていて、交換になれば黒が楽になる。7.Nc3 なら 7…Bd6 でe5のナイトを取ることを狙う。中央が解体された時に何が起こるかの分かりやすい例は 5…d5 6.Ne5 Nbd7 で、白は 7.Qa4 と指す。黒は一時的にa4-e8の斜筋で釘付けにされているが、7…c5! 8.cxd5 Nxd5! で互角になるはずである。白は中央でもっと交換することを余儀なくされ、白の圧力がゆるみ局面が単純化する。例えば 9.dxc5 Bxc5 10.O-O a6! で 11…b5! により釘付けをはずして戦力得する狙いができる。白がもうキャッスリングを済ませ相手が済ませていないにもかかわらず、黒は展開がうまくいっている。

 ここでの分析のもっと後のところで …d7-d5 の着想に戻ることにする。しかし5手目でもある程度安全にその手を指すことができる。

 C 5…Bb4+

 5手目での最後の重要な変化はチェックする最も強硬な手である。5…Bb4+ で黒は王翼ビショップをどうするかという問題を解決する。黒はこうチェックしたいなら、もうこれ以上待つことはできない。白は次の手でキャッスリングするかもしれない。そうなれば白は …Bb4 を無視することができ、a2-a3 でこのビショップを追い払うまでである。

 5…Bb4+ の局面

(この章続く)

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后印防御の指し方(027)

第2章 王翼ビショップのフィアンケット 本手順 アンディー・ソルティス(続き)

(再掲) 5…d5 のポーン陣形

 dポーン突きは黒に中央での不動産をたっぷり確保してくれる。黒はもう e2-e4 突きを心配する必要がなくなり、近い将来にe4の地点が自分のナイトのために使えると考えても大丈夫である。また …d7-d5 突きはd7の地点を空け、黒駒のためにd列を部分的に開通させている。すなわち后翼ナイトをd7に展開させることでき、d8がルークの好所になるかもしれない。言い換えるとdポーン突きを決めると黒は自駒の好所を見つけることができる。

 このポーン突きは最初の争点も作り出す。白はd5で取ることができるし、黒はc4で取ることができる。いつかはこれらの取りのどちらかが指されることになる。

 黒は機会があれば …dxc4 と取るのを躊躇しない。この交換でフィアンケットビショップの斜筋が通り、d列にそって敵のdポーンへの攻撃が準備できるか、または …c7-c5 で中央を完全に清算することになりそうである。この最後の着想を念頭に置けば、黒は …d7-d5 と突いたとき続けて …c7-c5 と突くのが普通だし、…c7-c5 と突いたときは …d7-d5 の準備となっていることが多い。中央の両ポーンを突くと、白が 1.d4 と 2.c4 以来保持してきた中央での支配を何もかも一掃する一連の交換につながりやすい。黒駒は白駒とちょうど同じくd5、c5およびd4などの地点をしっかり支配することができる。

 しかし認識しなければならない相違点がある。もし黒が …dxc4 と取れば、または白が先に取り(cxd5)黒が …Bxd5 か …Nxd5 と応じれば、黒は中央に固定されたポーンが何もなくなる。しかしもし白が cxd5 と取り黒がeポーンで取り返せば、黒は中央に永続的に橋頭保を保持することになる。新たにd5に来たポーンは標的になることもあり、強さの源になることもある。すべてはほかの駒とポーンの配置にかかっている。

 それでは具体的な局面を考察しよう。

 5…d5 の局面

(この章続く)

2015年02月01日 | コメントは受け付けていません。 | トラックバックURL |

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